手の内

甲斐です。

武術の世界で手の内などと言いますが、ものを持つ時の手の感覚はなかなかに大事です。

手の接触は、視聴覚を使わないコミュニケーションとしては最も代表的なものであり、視聴覚は進化の中では比較的新しい仕組ですから、よりプリミティブなコミュニケーションと言えるでしょう。

手の内は、ものとの間のコミュニケーションということになりますね。

その基本は、ものの重さを捉えるということです。

似たような重さのものとどっちが重いか当てるゲームをするかのような持ち方ですね。

これがまず最初です。

そうすると、必要最小限の力でものを支える感じになって、おそらく接触面積が小さくなると思うんですよ。

用途によってはこれでも良いのですが、剣術などでは当てた瞬間に手の内が壊れるというか、剣が手から落ちてしまう恐れがあって、そのままは使えないかと思います。

そこで、この重さを捉える感覚はそのまま、接触面積を大きくする、べたっと掴む感じですね。

これが理想に近いものの持ち方、手の内であり、コミュニケーションの基本であるとも言えます。