甲斐です。
スター・ウォーズのスピルバーグが非常に影響を受けたという、千の顔を持つ英雄の文庫版が出ていることに気がついて読んでいます。
世界中の神話で同じパターンが繰り返されるというのが本書の趣旨で、大きく2つのパターンとその中に登場するエピソードのパターンが紹介されています。
この大きな2つのパターンは、英雄譚と創世神話と言えるのですが、どうやらこのいずれもビリーフシステムの書き換えの話であると解釈できます。
英雄譚では、共同体に属する人間が神示を得て共同体を出ます。
社会によって与えられた価値観、ビリーフシステムを疑うというわけですね。
ビリーフシステムを疑うことは、コンフォートゾーンの外に出るわけですから、これが一つの試練となるわけです。
ただコンフォートゾーンの外に出るだけだと苦難の連続なんですね。
そこで本当のゴールを見つけて、無意識との統合を果たすわけです。
統合された英雄は共同体に戻るわけですが、ここでまた波乱があると、こういう構造なわけです。
創世神話も同様で、安定と不安定の間を行き来して、不安定の中にこそ創造があるということなんですね。
ストーリーテリングによる内部表現書き換えも一般化すればこの構造に従っていると言えるでしょう。