演技を知れば臨場感生成がわかる『緊張をとる』伊藤丈恭著レビュー

こんにちは!

超情報技術研究所、甲斐由直です。

この間、『緊張をとる』という演劇理論を読んだのですが、これかなり良かったですね。

演技は臨場感生成技術

緊張をとる』では、演技は臨場感生成であることが前提になっています。

別世界の臨場感を作り出すことが演技なんです。

そのために、リラックスしつつ集中するのが、演技の能力の核なんですね。

そこで表題の『緊張をとる』という話になるわけですね。

ネガティブを認める

緊張をとる』では、様々なワークが陥りがちな失敗などとともに紹介されています。

面白いところとしては、ネガティブを肯定して認めるということがあります。

舞台でどんな失敗をしそうなのか、何に不安を感じているのかを吐き出すんですね。

自分が抱える不安や心配、緊張を認めるというプロセスを重視しています。

認めることで、緊張がとれていくということがあるんですね。

コーチングでのネガティブの処理

ちなみにコーチングでは、ネガティブにはあまり積極的に介入しないんですね。

コーチングのやり方は、ポジティブにフォーカスすることで、ネガティブをなくすようにするのが基本線なんです。

でもこれ、特にセルフコーチングの形で一人で行うのはむずかしいんですよ。

ネガティブを消すのではなく、抑圧しただけに終わることも多いかも知れません。

消すのと抑圧しているのは似ているので、そこの区別をつけることが難しいというのもあるかも知れません。

そこで、この『緊張をとる』のような方法が役に立ってきます。

そして、逆にそうやって不安や恐怖を客観視することで、抽象度も上がり、ポジティブにフォーカスすることもできるようになるんですね。

そういう意味では、一般的なコーチングよりも、より細かくステップを分けているとも言えます。

緊張をとる』のような方法を使うことによって、誰でもやりやすく、低コストな方法論になっているわけですね。

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