甲斐です。
真言密教系の呪術で、倒祈り(さかいのり)というものがあります。
倒祈りというのは、仏画を逆さまに掛けて祈祷するもので、主に呪いに使う法だそうです。
絵や写真、動画でも良いですが、逆さまにすると臨場感が上がるんですよ。
なぜ逆さまにしただけで臨場感が上がるかというと、記憶を使えなくなるからなんですね。
普段、人間はあまりものをきちんと見ていなくて、記憶から似たようなものを引っ張り出して補完して見ているんですね。
逆さまにするとこの記憶を引っ張り出してくるメカニズムが使えなくなって、きちんと見るようになるんです。
だから、写真を元に絵を描くときなどは、逆さまに描くと上手くいく、なんてこともあります。
さて、倒祈りの機能はこの臨場感を上げる、記憶を使わない、スコトーマを外すと言っても良いですが、それだけではありません。
仏画を逆さまにするというのは、普段はありえないような暴挙、無礼、破天荒な行為なわけです。
ありえないことをして、信仰している仏の価値すら相対化することで、コンフォートゾーンを外す、現状の外側に出るわけですね。
コンフォートゾーンの外側の意識状態から書き込みをかけるというこのメカニズムは参考になるかと思います。