場の臨場感を操作する方法:マイケル・チェーホフ『演技者へ』レビュー

こんにちは!

超情報技術研究所、甲斐由直です。

この間、演技について勉強していて、ワイドブロードムーブメントという言葉を知りました。
臨場感操作という意味で勉強になりましたので、ご紹介しておきます。

マイケル・チェーホフ『演技者へ』

ワイドブロードムーブメントという言葉は、マイケル・チェーホフの『演技者へ』という本に出てきました。

今のハリウッドの演技論などは、ロシア演劇のスタニスラフスキーの影響を受けていると思います。

マイケル・チェーホフは、そのスタニスラフスキーとモスクワ芸術座で一緒に仕事をしている人です。

演技に限らず芸能というのは、古代から続く、臨場感を操作する技術ですから、ここから学ぶことは多いと思います。

ワイドブロードムーブメントとは?

ワイドブロードムーブメントを一言で言うと、こころの動きを元にしてからだを動かすということです。

からだの動きを先に考えてしまうと、コントロールされた小さな動きになってしまうんですよね。

そこで、からだを自由にして、こころを動かすわけです。

このようなこころの動きによって生まれる、大きな動きがワイドブロードムーブメントです。

そして、舞台上で観客に臨場感を伝えるには、このワイドブロードムーブメントが必要になってくるわけです。

場を操作するイメージ

このワイドブロードムーブメントの訓練で面白かったのは、場を操作することです。

自分のからだの動きを変えるときに、からだそのものを変えようとするのではなく、からだの存在する場を変えるんですね。

場が変わるから自分の身体が変わる、というイメージの使い方をするんです。

演技では感情を直接扱わない

演技の世界では、自分の感情を直接扱わないんですよ。

たとえば、怒る芝居が求められる時に、怒りの感情を作ろうとすると偽物になっちゃうんですよね。

怒ってるフリの芝居になってしまって、リアルじゃないんですよ。

リアルな演技にするは、その状況に入るんです。

状況に対して、自然と怒りを感じて表現するんですね。

状況の臨場感を高めることで、本当に怒りを感じているリアルな芝居、臨場感の高い芝居になるわけです。

これが、先ほどの、場を操作して、からだの動きを変えるということと一緒ですね。

こころの書き換えの世界でも、感情やからだを直接操作したくなるのですが、そうではなくて、場を操作すると、一つ上の書き換えができるようになるんですね。

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