甲斐です。
6章の理論についてです。
まず、原因が動作を作るという前提があります。
自己のありようがパフォーマンスを決めるということですね。
今のパフォーマンスを目的のパフォーマンスにしようとすることが上達です。
しかし、ありようがパフォーマンスを決めているのですから、今のありようを目的のありように変えないと行けない。
やさしい〜では、現状が1、目的が2なので、これにならうと、パフォーマンス1をパフォーマンス2にするにはありよう1をありよう2にしないといけない。
ありよう1→パフォーマンス1 (現状)
ありよう2→パフォーマンス2 (理想)
しかし、ありよう2は理想のパフォーマンスをしている人の内面ですから、わかりっこなくて、結果であるパフォーマンス2だけが想像できる、あるいは見たことがあるというだけなんです。
そりゃぁ上達は難しいわー、ということです。
トレーニングによって上達するには、本人の上達したい意志が必要です。
意志が働くことで
ありよう1→パフォーマンス1
の関係が
ありよう1+上達意志→パフォーマンス1b
に変化するわけですね。
このパフォーマンス1bを目的のパフォーマンス2に合致させるというのがトレーニングの第一段階です。
ありよう1+上達意志→パフォーマンス2
それを繰り返すことで、ありようが変化し、上達意志がなくてもパフォーマンス2が発揮できる
ありよう2→パフォーマンス2
という状態になるというのが上達理論の本質です。
つまり「達人になってから達人に馴れる」と言っても良いでしょう。
しかし、いかに強力な上達意志を持っていても、なかなか理想のパフォーマンス2には到達しないわけです。
そこでパフォーマンス2のレベルを下げて妥協してしまうと、これは理想ではない下手を目標にしてしまうわけですから、いわば悪い癖が付く、という状態になってしまいます。
これを回避するにはパフォーマンスを要素に分解してトレーニングする必要があります。
この分解の方法論が3章の構造運動学になってくる、というのがこの本の構造ですから、1回読んだくらいでは全く全体像が理解できない難しい本だよなーと思うわけです。