甲斐です。
トレーニングというと、能力の足し算の発想が普通ですよね。
筋トレは筋肉をつけていく、スポーツなら技、テクニックを次々と習得していく、学問なら知識を増やしていく。
しかしこれにはどうしても限界が来てしまうんですね。
で、引き算の発想になるわけです。
無駄な力を抜く、余計なこだわりを消していく、KAIが最近教えているゆる体操は引き算の発想がメインですし、神道の祓いの行も実は良いことも悪いことも全部祓っていくわけです。
仏教の空の思想もそうですし、道教の無の思想も同じです。
中島敦の名人伝に出てくる弓の達人は、最終的には弓という概念を忘れていました。
ただ普通はそれだと社会的に役に立たない人間になってしまうわけです。
引き算の発想だけだと、小乗の悟りということですね。
まぁそれはそれで本人幸せで周りを不幸にするわけでもないので良いと言えば良いのですが、我々が目指すところはその先、大乗です。
ここでは足し算と引き算、両方の発想を一つ抽象度を上げて統合するわけですね。
足し算を徹底的にやった人間が引き算の発想を得て達人の域に達するという話がよくありますが、実はこういう構造なんですね。
だから引き算最高で足し算を馬鹿にするということではいけないわけです。