野口晴胤さんは全く存じ上げてなかった方ですが、体癖論で有名な野口晴哉さんのお孫さんで、ほぼ同世代なんですね
同じ時代の空気を吸ってきてる同士で、通じるものを感じるんです
というのも、初めて聞く理論なのにスラスラ読めるというか、わかっちゃうんです
あーアレねって感じですね笑
というわけで今日は、野口晴胤著『平均化訓練』のレビューをします
からだの使い方のテクニックではなく、からだのあり方を変えるためのヒントになるかと思います
もくじ
エネルギーの流れが存在を変える
野口さんはこんな表現はしていませんが、結局、エネルギーの流れを良くすると存在が変わるということなんですよね
エネルギーが滞っている状態は、からだの各部がバラバラにがんばっってる状態です
社会集団でもコンピュータソフトでもサッカーとかでもそうですが、部分が頑張りすぎると全体の機能が非効率的になるんです
自分の役目を果たしたらすぐ次にパスして、全体がうまく協調すると、とんでもないパフォーマンスになります
それはからだも同じことで、これを『平均化訓練』では平均化と読んでいると思います
平均化訓練=胴体力+合気
『平均化訓練』は2パートに分かれていて、1つ目は背骨のストレッチ体操、2つ目は2人組で平均化していく体操です
1つ目の体操は、故伊藤昇さんの胴体力メソッドですね
背骨というか胴体の、丸める反らす、伸ばす縮める(左右)、ねじる、の3つの動きを基本として、からだを開発してく方法です
ひょっとすると、胴体力の元ネタに体癖論があるのかもしれないですね
合気と平均化
甲斐が修行したものがそうなんですが、ある種の合気では、エネルギーの流れの感覚を重視します
自分のからだの中のエネルギーの流れを感覚できると、相手にもエネルギーが流せるんですね
このエネルギー感、実際に物理的な運動エネルギーである場合も多いのですが、感覚的なものや、ゆるみの連動感覚だったり、そういったものの複合体なんです
そんなわけで、合気をかけ合うと、お互いにゆるんでいくという不思議な現象が起こるんです
『平均化訓練』の平均化というのも、おそらく同じものなんですよ
だから2人組で訓練するんだと思います
ただこれ、本だけ読んだ人が2人でやってもなかなか難しいと思います
エネルギーが流れる感覚、平均化の感覚がある人が1人でもいれば、その感覚を移していくだけなので、すぐに効果が出るんですけどね
とりあえず背骨を開発する体操だけでもやってみては?
エネルギーが流れる感覚は、からだに限らず、ありとあらゆるシーンで使うことができるので、エネルギーの流れを体得すれば存在が変わると言えます
できれば感覚がある人と『平均化訓練』をやると良いと思うのですが、そもそも2人で訓練するのは大変ということもあると思います
なので、背骨を開発する体操だけでもやってみてはどうでしょうか?
少なくともからだは楽になると思いますよ