四念住

どうも甲斐です。

先日、暇つぶしに立ち寄った古本屋で面白そうな般若心経の本があったので少し読んだのですが、なかなか実践に役立ちそうなことがありました。

初転法輪と言って、お釈迦様が悟りをひらいてから最初に教えを説いた時の話です。

その本によれば、有名な八正道を含む、いわゆる三十七道品がその内容であったそうです。

その37の教えのド頭にあるのが四念住、あるいは四念処と言われるもので、とりあえず各項目をWikipediaから抜粋しますね。

  • 身念処(身念住) – 身体の不浄を観ずる(不浄観

  • 受念処(受念住) – 一切の受は苦であると観ずる(一切皆苦

  • 心念処(心念住) – 心の無常を観ずる(諸行無常

  • 法念処(法念住) – 法の無我(いかなる事象も自分に非ず)を観ずる(諸法無我

と、まぁなんだか観念的な道徳の世界のように説明されています。

ただこれ、瞑想の方法というか、普段の日常にも意識可能な内容なんですね。

まず身念住ですが、これは身体を意識するということなんですね。

自分の身体がどのような状態なのかを知ることで、これは感覚ではないというのがポイントです。

感覚があろうがなかろうが自分の身体は何らかの状態でそこにあるわけですから。

受念住は、感覚を意識するということで、視覚、聴覚、触覚、あらゆる感覚で何を感じているのかを意識にあげるわけです。

心念住は、主に感情だろうと思います。思考や無意識に考える言葉も含まれるかも知れません。

これらを意識に上げていきます。

法念住は、現象と書いてありましたが、恐らくは上記3つで捉えられる世界を超えた抽象度の高い世界も意識に上げていくということであろうと思うのです。

これは本来の意味でのヴィパッサナー瞑想なのですが、世間で流行っているものは受念住と心念住に偏っているのではないかなと感じました。

それはそれで分かりやすいので良いのですが、もう1ランク上のヴィパッサナー瞑想を行うためには四念住の4項目を頭に入れて行うと良いと思います。

で、これがコーチングとどう関係するのかというという話をしていきましょう。

一つはスコトーマ外しの技術だということです。

スコトーマというのは盲点という意味のギリシア語だと思うのですが、人間は自分が重要だと思うものしか見えていない、ということです。

コーチングではコーチがいることでスコトーマが外れるということがあるのですが、常にコーチがいるわけではないので、自分でスコトーマを外す方法を持っている必要があります。

これをセルフコーチングと言います。

コーチングにおいて具体的な技術を教えることはほとんどないのですが、唯一の例外としてセルフコーチングの仕方についてはコーチングの中で教えていくことになります。

そして、セルフコーチングの中でもかなり重要なことの一つに、セルフトークのマネジメントということがあります。

セルフトークとは、自分の頭のなかで発せられる言葉のことです。

つまり、自分の考えをマネジメントするということです。

自分の考え、価値観、感情、そういったものから自分の行動は決まり、その行動が結果を産むわけですから、その大本を知る必要があるわけですね。

そのために四念住のようなトレーニングが役に立つ、ということですね。

というわけで、みなさんも時々、四念住を意識してみてはいかがでしょうか?